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A kite dancing in a Hurricane

風の向くまま気の向くままに色々なことを。

「The Butcher of Ark」第6巻翻訳

チャプター6:シルバークラウド

わたしが理解できなかったカリアンの技能の一つが、ほとんど眠らないでいる事だった。
旅の間、かれは真夜中を過ぎてから寝床に行き、いつもわたしよりも先に、それも夜明けよりも相当早く目を覚ましていた。
彼には厳格な朝の決まりがあった:それはわたしの知らない言語による30分ほどの祈りから始まった。
それから彼は1時間ほど、週のうち2日はもう少し長くシミターの訓練をした。
その後、彼は風呂に入るか、もし近くに川や池がない時は自分の体にいくばくかの水を降りかけた。
最後に、彼は苦味のあるハーブを混ぜたシリアルパルプの朝食を準備して、まるでパイレア人のあらゆる謎がそこに隠されているかのように黙々と食べた。
わたしは、彼は毎晩長くても4時間しか寝ないと思っていて、どうやって彼が、イノーダンの水につかった後のように健康的で元気に見えるのか不思議だった。

旅のさなかでは、彼はわたしを眠らせたが、アークでの1日目は朝も早くにわたしを起こした。
わたしは一晩中の大騒ぎの後だけに全身だるさを感じた。
しばらくの間、わたしは眠気のこもった目で、フォッグヴィルで毎朝洗顔に使っていた水桶を探そうとした。
それから自分の居場所に気が付いた。
ぶつぶつ言いながらもわたしはベッドを抜け出て、外を見た。
正しき道にかけて、いったい何時なんだ?
まだ太陽のかけらもなかった。
カリアンがわたしの気持ちを読み取ったかのように答えた。

"鶏の知らせより2時間前だ、友よ。言いたい事もあるだろうが、" - 彼は腰に剣を固定させようとしていた - "必要な事だ。予定がある。"

わたしは返事をしたかったが、ただ不機嫌そうなうめきだけが口からもれ出た。
カリアンは続けた。

"1時間後に曇り小道の一番奥の家の前で落ち合おう。そこで待っている。"

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「The Butcher of Ark」第5巻翻訳

チャプター5:カリアン

目の前の男は、わたしより頭半分ほど上背だった。
彼の体格はがっしりしていたが、重量級ではなく、その目は漆黒に輝いていた。
しかしわたしの目をひきつけたのはその笑みだった。
それは独特で作り物めいており、この男を印象付けるものは何もないと思わせた。
子供の笑いのように純朴でもなく、あまりにたくさんの事を見てきた老人のそれのように冷笑的でもなかった。

そこに彼は居て、わたしたちはどちらも妙なものに見えていた:
わたし、やせて怒り狂った男、巨人の死体に馬乗りになって、血まみれの手、無気力な表情、足元に転がっている武器。
彼、背が高く、ハンサム、エレガントは服を身に着け、腕組みし、わたしをじろじろとながめていた。

わたしは突然大きな笑い声を上げた。
頭を振って笑い始め、それは大きく響き渡り、それは自らの置かれた状況に打ちのめされた男の笑いで、その頭が他の選択肢を残さなかったのだ。
わたしは死体から立ち上がろうとしたが、手が血まみれの床に支えを見つけられずに滑った。
崩れ落ちて死体にぶち当たり、体に暖かな血を感じた。
あなたたちは信じないだろうが、わたしの脳内をこう突き抜けたんだ。
ひどいな、ヤエル!

それはわたしを現実に戻す代わりに、意味不明な考えがわたしの笑いを助長した。
背中で転げて、腹に手を当て、息を切らせた。
その男、まだ名前を知らなかったそいつも妙な反応を示した。
初めに親指と人差し指であごをこすり、眉をかきあげた。
彼は、自分の羊が黒き守護者に噛み付かれておかしくなって飛び回り始めた農家のように動いた。
しかしその後、彼も笑い始めた。
わたしや、わたしの打ちのめされて混乱した心には、状況はますます妙な事になっていった。
わたしは、肺がおかしく成りそうなほどに笑いがひどくなって、息が切れてしまいそうだった。
そのうち、熱い涙が頬を流れ落ちると、かすかな音を聞いた。
視界は真っ暗になり、意識を失った。

~
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「The Butcher of Ark」第4巻翻訳

チャプター4:灰

計画を行動に移したのは、夜中の2時を回った頃だったに違いない。
階下からの声は真夜中辺りから静かになり始めたが、不必要な危険は冒したくなかった。
注意深く部屋から体を乗り出し、カウンターのある階下への階段につながる廊下を見た。
しかし、階段をどすどすと上がってくる、小さいが重い足音が聞こえると、すぐに頭を引っ込めた。
後ろ手に扉を閉め、耳をそばだてた。
女と男、その歩きの不自然さからおそらく酔っている。
あの野蛮人たちの一人だろうか?
いや...男の声は明るく、柔らかで、とても疲れているようだった。
彼らが部屋の前を通過して、扉が閉まるのが聞こえるまで待った。
それから、すぐにまた廊下を覗き込んだ。
今度は誰も居なかった。
こそっと階段の方へ向かい、階下を覗き込んだ。
何も無い。
メイドも主も寝ているようで、脂やアルコール、それに汗の典型的なにおいが数時間前に飲みふけっていた客の多さを物語っていた。
確認すると同時に満足げにうなずき、部屋に戻った。
空っぽの階下は、外にも、見張り以外誰も居ないことを物語っていた - たぶんたくましい農家の子供で、いくばくかの余分な金を欲しかったのだろう。

わたしは慎重に、復讐のためにこしらえた道具を確認し、腰周りにそれを入れた革袋をしばりつけた。
そうして、わたしは深々と旅人用のフードをかぶり、またそれを買い揃えていたことに自身に感謝した。
手間も音もなく窓を開けて、夜の寒さから部屋を守るためだろうブラインドを押しやった。
わずかにきしむだけだった。
壁を見下ろした。
満足感でいっぱいだった。
実際、わたしはあの野蛮人どもほど筋肉質でも強くも無い、ただ、代わりに機敏で柔軟性があった。
手は長くスリムで、完全に目的に合致していた。
ゆっくりと窓から抜け出ると、冷たい風が吹いていたにも関わらず、心地よくやたら猛烈な熱気に満たされていた。
わたしは内に感じる重苦しい感覚から力を引き出しているかのように感じてた。
見下ろして、状況を調べた。
二つの意味で運がよかった:一つは、主はわたしに3階ではなく2階の部屋を与えていた - そして次に、足の下数フィートに、小さな玄関の屋根があり、おそらくは見張りを雨から守っていた。
降りていった時、またついていた:ブーツの先端は、屋根からほんの少しのところだった。
深く呼吸し、窓枠から指を離した。
着地の衝撃はあったが、不信を呼び起こすほど大きくは無かった。
さて、急ぐ必要があった。
辺りからだと、今なら誰でもわたしに気がつく瞬間となる。
そっと玄関の上の屋根沿いに歩き、ふちから降りた。
風の勢いが、わたしの旅人用の装いをはためかせ、さながら自然がこの場面を強調することを決めたかのようだった。

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「The Butcher of Ark」第3巻翻訳

チャプター3:第一段階

わたしの旅の最初の数日はほとんど精神的なもので、しかしまだ完全に楽しい経験など無かった。
これまでの人生は目の前にベールをかけられたまま生きてきたかのように感じていた。
むき出しの崖から遠ざかれば遠ざかるほど、その考えが、28年もの間...司祭と神父としてそこで生きてきたことが非現実的なものに思えてきた。
ほとんど、それが夢だったかのようでさえあった。

つまるところ、わたしは何者なのだろう?

その問いに対して満足のいく回答を見つけることはできなかった。
もしこの愚かしい旅を果たさずにすぐに帰ろうものなら、神聖なるホーダーの目からは、わたしは異端者、道を無くした者、道からはぐれた者となるだろう。
聖職者に属していたという事実はほんの些細なことなのだ。
マルファスとその101の聖句のことを思うと、疑惑と苦痛が、精神的な刃のごとく解放の感覚と交差した。
戻ることを考えても同じように感じた。
胃の中の重苦しい感じは、わたしの中に潜んでいるのだ。
旅の二日目、わたしはフォッグヴィルへ少し戻ってみようとしたが、あの部屋で打ちひしがれた時と同じような恐ろしい混乱が湧き上がってきた。
そうだ...いまやわたしのできる唯一のことは、偽りの人生から離れ、抑圧された記憶をたどることなのだ。
ただわたしは、子供時代の失われた時間を探し始める場所をほとんど考えていなかった。
ギルモンがわたしを見つけた時はたった2歳でしかなかった。
わたしの人生を形作るようなどんな出来事が起こりえただろうか?
答えを探すのに唯一の手がかりはあった:ベールの女性の不気味な言葉だ。
あの言葉を信じることは、キラ人の骨占いを信じることくらい愚かしく非合理的だったが、選択の余地はなかった。

"火の導きに従え..."
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「The Butcher of Ark」第2巻翻訳

チャプター2:名も無き者

今日まで、このビジョンの発端や本質はわたしには謎のままであった。
あの不可解な女性は誰なのか?
どうやってわたしの意識に入り込んできたのか?
それとも女性ですらなく、単にわたしの意識の特別なイメージでしかなく、潜在意識の化身なのか?
これは目覚めた直後に脳裏をよぎった質問の数々であった。

しかしこの思いに浸る時間はほとんどなかった。
目を覚ましてしばらくはぜいぜいと息が上がり、汗でべとべとで、何かが違うことに気がついた。
それが何か良くわからず、起きて、ひりひりする目をこすった。
部屋を見渡すと、頭をぐるぐるさせたおかげで骨がきしんで音を立てた。
何も変わってはいない。
辺りは完全に普段どおりのようだった。もう一度、重い木の扉から小さな洋服ダンス、無造作に学術書や羊皮紙の乗っている右の角の執筆用のデスクまで狭い部屋の中を眺め回した。
不安にさいなまれ、目を閉じて自らの内面に思いをめぐらせた。
ああ...この不安はわたしを取り囲むところからのものではない。
わたし自身からくるものだ。
正しくは、当時はわかっていなかった、内面にある奇妙な感覚によるものだった。
この先に恐ろしく挑戦的な何かが待っていると知ったときに覚える何かに似た、不安や重苦しさ、鬱屈としてよどんでいる恐怖であった。
それにもかかわらず、その感覚は馴染みがあり、何年も潜在意識に押し込められていたどんよりとした真実のようで、今やわたしの心に入り込む方法を見つけ、溶け始めた氷の薄い表面下にある灼熱の石炭みたいであった。
途方にくれ、わたしは子供のように本能的に胃を抑えるように手を置いた。
もちろん、それは何の役にも立たず - 奇妙でどんよりした感覚は残っていた。
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